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2019/12/13 ピンチに怯える? 怒る? それとも・・・?

 顧客との大切な商談のアポイント時間にどう考えても間に合わない。大ピンチ!

 ピンチに陥ったとき、人は往々にしてマイナスな感情を抱きます。顧客から怒鳴られる、契約を破棄される、上司から叱責されるなどの未来を想像してそれに怯える人。間に合わない原因を自分以外に向けて怒りを爆発させる人。絶望して泣き出す人。すべてを投げ出して逃げる人。ともかく、ピンチから逃げたい!と願うのは皆同じですよね。実際のところ、ピンチが襲ってきたときに人が感じることはほとんど変わらないのだと思います。そこからどのような行動に出るのか、それが人によって異なります。

 そして、人によってピンチで燃える人もいるのです!

 不幸な未来を想像するとき、それはバッドエンドへの道を進んでいると思い込んでいます。当然、その道からは一刻も早く外れなければなりません。落とし穴があることを知っていて一直線に向かっていく人はいません。まずはどのような選択肢(=道)があるかを検討します。長岡京市の顧客先へ向かうため、阪急烏丸駅で飛び乗った特急列車が運悪く「快速特急」(長岡天神駅に止まらない)で、桂駅を出た途端「次は淡路、淡路~」と信じられないアナウンス。お客様との約束時間まであと20分。まずは顧客に電話を架けようとしますが、そばにいた別の乗客から「電話やめてもらえますか?」と怒られる。顧客の連絡先は固定電話番号しかわからない。絶体絶命です。まさか先頭車両まで行って運転手を脅し、長岡天神駅に緊急停車させるわけにもいきません。そうだ!会社の人にLINEで緊急事態を知らせ、顧客に連絡してもらおう。これはいい考えですね。ところが急いでLINEを送ったものの、いつまでたっても既読がつかない。イライラは募ります。ここで思考停止してしまう人は、あとは流れていく時間と絶望的な未来と長岡京市駅を通過する阪急電車を恨むことになります。

 では、ピンチで燃える人は、このようなとき、例えばどういう行動に出るのか? まずは、淡路から引き返した場合の顧客先到着時刻を調べます。そして、淡路駅に到着するまでは、顧客に電話して伝える内容をシミュレーションします。もちろん、LINEの返信がないかどうかを数分おきにチェックしながら。淡路駅に着いたら電車を降りるやいなや顧客に電話を架けます。そしてシミュレーションしたとおりの内容を話します。怒られるかもしれません。「もう来なくていいよ!」と言われるかもしれません。案外「今日は暇だから待ってるよ~」と言ってくれるかもしれません。顧客の反応に合わせて精一杯の対応をします。顧客が遅れて到着することを許してくれたら、予め調べておいた到着予定時刻を伝えます。「都合が悪いから別の日に」と言われたら、次の訪問予定日を決めてしまいます。「もう来なくていい!」と言われたら、謝り倒して電話を切ります。次は上司への報告。ここでも怒られるかもしれません。状況を伝え、次の行動を決めます。顧客に拒絶され、上司に怒られた場合でも、燃える人の頭の中は「これをどう挽回するか」というテーマでいっぱいになっています。そう、ピンチで燃える人の頭の中は、常にバッドエンドの先にあるハッピーエンドを見ているのです。そこで人生が終わるわけじゃない。ではどうやってここから良い方向に持っていくのか。バッドエンドは人生においては低い場所にいるので、案外そこから這い上がるためのアイディアはあるものです。そして、這い上がった経験は、結果として成功体験となり、自信に繋がるのです。

 世の中には、経営で大失敗して億単位の借金を抱えながら、笑い飛ばして先を見ている人がいます。そういう人は、ピンチで絶望しません。常にその先にあるハッピーエンドに向かって全力投球しています。せっかく一度きりしかない人生。ピンチから逃げ回って過ごすか、ハッピーエンドに向かって突き進むか。やっぱり後者がいいですよね。 

 

【執筆】人事担当